有料老人ホームならプロの手を借りながら充実した時間が過ごせる
あなた自身はもちろん、もし大切なご家族に介護が必要になったとき、どのような施設に入所したらよいか分かりますか?有料老人ホームは、食事や介護サービスなどの生活支援を受けながら安心して生活できる住まいです。
有料老人ホームについて詳しく知ると、具体的にどの施設を選べばよいかが見えてきます。本記事では、有料老人ホームの種類、費用、似ている施設をご紹介。メリット・デメリットを参考に、大切な家族がより快適に過ごせる施設を選びましょう。
有料老人ホームには3種類ある
有料老人ホームは、安全に生活できるようバリアフリーや手すりなどの設備が整った高齢者専用の居住施設です。有料老人ホームは大きく3種類に分けられます。介護サービスが提供されるか否かに注目してみていきましょう。
介護が充実した「介護付き有料老人ホーム」
介護付き有料老人ホームは、介護サービスが充実した施設です。介護付き有料老人ホームと名乗ることができるのは、都道府県から「特定施設入居者生活介護」の指定を受けた施設で、施設の設備や介護スタッフの人数など国が定める基準を満たす必要があります。
また介護付き有料老人ホームには、要介護1以上の方を対象とした「介護専用型」、すべての方を対象とした「混合型」、自立した方が対象の「自立型」の3種類があるため、事前に確認しておきましょう。
介護サービスの提供方法も施設によって異なり、施設スタッフが介護を行う「一般型」と、外部のサービス業者に依頼する「サービス利用型」があります。それぞれの特徴を見極めて、検討しましょう。
生活支援がメインの「住宅型有料老人ホーム」
住宅型有料老人ホームは、食事の支度や洗濯などの生活支援サービスを提供します。原則65歳以上で自立〜要介護(軽度の方)の比較的元気な高齢者を対象としています。
しかし介護サービスは付いていないため、入居後に必要性が生じたら別途外部のサービスを契約しなければなりません。万が一要介護が高くなった場合には、介護サービスの利用も増えるため、負担額が大きくなることが考えられます。
それらの問題を解決するため、住宅型有料老人ホームのなかには介護サービスが提供できる事業所を併設した施設もあります。直接施設に問い合わせてみましょう。
趣味に没頭できる「健康型有料老人ホーム」
健康型有料老人ホームは、趣味に没頭したい方におすすめです。自立した65歳以上の高齢者を対象とした住まいで、食事や掃除、洗濯などの生活に必要なことは施設が行ってくれます。
入居時に自立が前提となっていて、万が一入所後に怪我や病気で介護サービスが必要になった場合には、退去しなければなりません。
有料老人ホームの中では、全国的に施設数が少ないタイプですが、施設のイベントやレクリエーション、入居者で作るクラブ・サークル活動に魅力を感じて入所する方もいます。
有料老人ホーム入居時に検討すべき費用
有料老人ホームに入居する際には、施設の特徴や設備だけではなく、費用も忘れずチェックしましょう。長期間入居することを想定して、負担にならない範囲の施設を探すことをおすすめします。
入居一時金・月額費用がかかる施設が多い
有料老人ホームの多くは、入居一時金と月額費用がかかります。なかには入居一時金が無料の施設もありますが、月額費用が高く設定されていることがほとんどです。
入居一時金を支払う施設の場合、月額費用の家賃部分がゼロ、または少なくなるため、その月にかかった食費や光熱費などがメインになります。
なかには入居一時金が、数百万円という施設もあるため、まとまったお金を準備する必要があるかを把握しておきましょう。月額費用を把握するためには、どのサービスにお金がかかるかを施設に確認する必要があります。
立地や提供されるサービスによって価格が違う
有料老人ホームは、施設の立地や提供されるサービスによって価格が変動します。有料老人ホームでは価格設定を設けていないため、些細な部分でも費用に反映されるのです。
よって田舎の有料老人ホームよりも、アクセスが便利な都会の施設の方が割高になる傾向にあります。介護サービス、医療サービスに力を入れている施設では、それに伴って費用が高くなるでしょう。
有料老人ホームの相場を意識しつつ、似通った地域、似通ったサービスの施設を複数箇所比較すると、次第に価格帯をつかむことができるようになります。インターネットの情報や見学・体験会を活用して、サービスに見合った価格かどうかを判断しましょう。
有料老人ホームと似ている施設
有料老人ホーム以外にも、必要な設備やサービスが整っていれば、以下の施設を検討しても良いでしょう。特徴を把握しながら、違いを確認しましょう。
低額費用が魅力の「特別養護老人ホーム」
特別養護老人ホームは、なんといっても低額費用が魅力です。特養や介護老人福祉施設とも呼ばれ、老人ホームを探すとなると、まずはじめに特別養護老人ホームを探すという方もいるでしょう。
しかし誰でも入居できるわけではなく、要介護3〜5の認定を受けた65歳以上の方が対象です。寝たきりや認知症など、緊急性が高い順での入居になり、全国的にも入居待機者が多い状況です。
公的な施設のため、低料金で入居が可能ですが、入居までの時間がかかるほか、必要な設備・サービスがあるか、個室か相部屋かなどの点もあわせてチェックしておきましょう。
広い部屋が魅力の「サービス付き高齢者向け住宅」
サービス付き高齢者向け住宅は、広い部屋を希望される方におすすめです。有料老人ホームの部屋の広さが13㎡以上に対し、サービス付き高齢者向け住宅は原則25㎡以上が必要とされています。
また有料老人ホームは、利用権方式をとっている施設が多いため施設内で部屋を移動する可能性がありますが、サービス付き高齢者向け住宅は建物賃貸借契約のため部屋の移動がないことが一般的です。
ただしサービス付き高齢者向け住宅は介護サービスの提供を行なっていないため、必要に応じて外部事業者との契約をしたり、介護度が高くなると退去を求められたりすることがあります。
有料老人ホームに入居するまでの流れ
有料老人ホームに入居するまでは以下の流れを辿ります。入居までに時間がかかることを想定して、早めに行動することをおすすめします。
- 情報収集:施設の特徴を把握して候補を絞る。ホームページやパンフレットのほか、ケアマネジャーに相談しても◯。
- 見学:興味を持った施設の体験会・見学会に参加。雰囲気を把握する。
- 申し込み:健康診断書や介護保険被保険者証などの書類が必要。
- 入居審査:入居者と施設スタッフが面談し、身体状況や疑問点などを直接見聞きする。
- 本契約・入居:重要事項説明書を用いて、施設から説明を受ける。
施設によっては、体験入居の期間を設けていることがあります。互いのミスマッチを防ぐため、機会があれば体験入居を利用することをおすすめします。
有料老人ホームのメリット・デメリット
有料老人ホームには以下のようなメリット・デメリットが存在します。入居者様の身体状況はもちろん、性格や考え方を考慮した上で、入居を検討しましょう。
プロのケアを受けられるのが大きなメリット
有料老人ホームには、さまざまなメリットがあります。入居後の様子を想像しながら確認してみましょう。
- 介護に慣れたスタッフから、サービスを受けられる。
- 家族以外との交流が得られる。
- イベントやレクリエーションが頻繁に行われる。
有料老人ホームのスタッフは、介護のプロです。入居者様の移動や介助に必要な方法・技術を身につけています。入居者様を楽しませる方法も知っているため、ご家族が趣味や生き甲斐を新たに見つけることもあるでしょう。有料老人ホームは、人と関わることが億劫にならない方に向いているといえます。
集団生活が苦手な人にはデメリット
有料老人ホームには、以下のデメリットが考えられます。入居者様はもちろん、家族や親戚で十分に話し合ったうえで入居を検討しましょう。
- 入居一時金のほか、月額費用がかかる。
- 自由に外出ができない。
- 慣れない集団生活で利用者様にストレスがかかる。
有料老人ホームに入居すると、食費や光熱費など、月額費用がかかります。入居一時金が必要な場合にはまとまった金額が必要なことも。家族以外との関わりが刺激になることもありますが、入居者様によってはストレスで体調を崩す方もいます。ご家族の都合だけではなく、入居者様ご本人の希望にも耳を傾けましょう。
介護者の負担を考えて「有料老人ホーム」という選択も
有料老人ホームという選択をする際、経済的な面を考えてしまう方も多くいるでしょう。しかし毎日のように介護と向き合うことは、家族にとって容易なことではありません。
介護に慣れない家族が関わることで、転倒や怪我のリスクが高まります。ときにはストレスや介護疲れが原因で、虐待に発展することも。
そうなる前に、「有料老人ホーム」という選択も視野に入れてみませんか?先行き不透明な介護の不安を、払拭してくれるきっかけになるかもしれませんよ。