介護のBLOG

介護に関するお役立ち情報を定期的に配信しています。

  1. HOME
  2. ブログ
  3. 介護の基礎知識
  4. 「寝たきりの介護」便利グッズとサービスの利用が家族の負担を軽くする!

「寝たきりの介護」便利グッズとサービスの利用が家族の負担を軽くする!

大切な家族が寝たきりになってしまったとき、きっとあなたは一生懸命に介護をするでしょう。しかし時間が経つにつれて、要介護者のわがままや、「いつまで続くのか」という現実に次第に疲れ果ててしまいます。

寝たきりの介護が必要になった段階で、介護を続けるコツを心得ておくと、家族の負担を軽くすることができますよ。本記事では、寝たきりに必要な介護知識のほか、便利グッズやサービスをご紹介します。

寝たきりになったときに必要な介護と注意点

寝たきりになったときには、以下の介護が必要です。具体的にどのような点に注意したらよいかもあわせて確認していきましょう。

食事の介助

寝たきりになると、食事の介助が必要です。要介護者の好みに合わせた食事を提供することも大切ですが、とくに気を配ってほしいのが食べる時の姿勢食べ物が誤って気管に入ると、誤嚥性肺炎」を引き起こすことがあります。誤嚥性肺炎は、要介護者の「かむ力」・「飲み込む力」に合わせた食事を提供し、食事後の口腔ケアを行うことで予防が可能とされています。

着替えの介助

寝たきりになると、着替えの介助が必要です。とくに要介助者に麻痺や拘縮がある場合には、「脱健着患」を意識しましょう。

脱健着患とは、要介護者の動きに制限がない側から服を脱ぎ、動きに制限がある側から服を着ることです。スムーズに着替えの介助ができるため、介護者・要介護者双方にとって負担が少なく済みます。ケガやストレスを予防するためにも、「脱健着患」を取り入れてみましょう。

入浴の介助

寝たきりになると、入浴の介助が必要です。お風呂場はすべりやすく、身体のバランスを崩すことが多いため、注意しなければならない場所の一つです。

しかし入浴は、感染症の予防効果が期待できたり、血液循環が良くなることで痛みや関節痛が和らいだりすることがあります。介護者にとっての負担は大きいですが、要介護者にとってはリラックスできるシーンです。

お風呂のようなバランスを崩しやすい場面では、要介護者の身体の片側に麻痺がある場合、介護者が麻痺側に立つようにしましょう。万が一にとっさの対応ができます。

排泄の介助(場合によってはオムツ交換)

寝たきりになると、排泄の介助が必要です。場合によってはオムツを使用することもあるでしょう。自尊心に配慮しながら、急かさず要介護者のペースで介助できることが理想です。

おむつを使用する場合には、おむつのサイズに注意しましょう。大きすぎると漏れの原因になり、小さすぎると傷を作ってしまうことがあります。腹部とテープで止めた間に掌が入る程度が目安です。排泄回数や時間、排泄量を把握しておくとオムツ交換のタイミングをつかめるため、要介護者が不快な思いをすることが少なくなりますよ。

体位の変換

寝たきりになると、定期的な体位の変換が必要です。長時間同じ姿勢でいると、圧迫される場所が変わらないため、床ずれのリスクが高まります。

体位変換は1~2時間に1回程度が基本とされています。要介護者が「自分でできる範囲」を把握することも忘れずに。足を挙げる、腰を捻るなどの動作を、できる限りのことを自分でしてもらえば、要介護者のリハビリになり、介護者の負担も少なく済みます

便利グッズを使って介護を楽に!

在宅で寝たきりの介護をするためには、「いかに毎日の介護で楽をするか」を考えることをおすすめします。寝たきりの介護に便利なグッズをご紹介します。

便利グッズ1:床ずれ防止マット

寝たきりの介護に便利なグッズ1つ目は、床ずれ防止マットです。床ずれは治りにくく、治療までに時間を要するため、「予防」がカギになります

床ずれ防止マットには、ビーズやエアーマットなど素材や構造によって値段に幅があるため、購入時に迷うことがあるでしょう。実際に本人が店頭に出向くことは困難なため、意思表示が可能なら、「どんな姿勢が辛いか」「どんな感触が好みか」を把握しておくことをおすすめします。

便利グッズ2:コールボタン

寝たきりの介護に便利なグッズ2つ目は、コールボタンです。在宅介護といっても、寝たきりの要介護者にずっと付き添っているわけにはいきません。コールボタンで「必要な時」に呼んでもらえば、隙間時間で家事を進めることができます。

コールボタンはぶら下げたり、子機が複数あったりとさまざまな種類があります。配線不要のお手軽なワイヤレスタイプも便利です。どのようなタイプが適切かをライフスタイルに合わせて選びましょう。

便利グッズ3:お薬カレンダー

寝たきりの介護に便利なグッズ3つ目は、お薬カレンダーです。寝たきりの要介護者には、お薬を内服する方も多いでしょう。お薬カレンダーは毎食後に薬を出す手間が省け、朝・昼・夜と薬が変わる方はひと目で薬を把握できるため便利です。

なかでもクリアタイプで冷蔵庫に貼り付けできる商品がおすすめ。場所を取らず、お薬と一緒にキッチンから水を持ち運びできるため効率的です。

便利グッズ4:すいのみ

寝たきりの介護に便利なグッズ4つ目は、すいのみです。すいのみとは、飲み口が横についていて、寝たままの姿勢でも楽に水分を摂取することができます

高齢者に必要な水分量は、1日に1~1.5ℓ。高齢者は筋肉量が減るため、体内に水分を貯蓄できない点から、頻繁な水分摂取が推奨されています。メモリがついた商品なら適切な水分量を把握でき、流動食用に取手を交換できる商品、自力で持ちやすい工夫が施された商品などもあります。

いつまで介護をすればいい?限界を感じる前にサービスを利用しよう

介護を続けると、次第に精神的な限界を迎えてしまう家族も大勢います。「要介護者ファースト」で生活している介護者の苦痛を汲み取れるかが重要です。余裕がある段階で、以下のサービスを検討することをおすすめします。

提案1:「訪問介護」で介護者の息抜き時間を作る

在宅で寝たきりの介護を続けるためには、「訪問介護」を検討しましょう。ホームヘルパーが自宅に訪問し、要介護度に応じたサービスを提供してくれるため、その時間内であれば、介護者は自分の時間に充てることができます。

訪問介護は介護保険制度を利用して、費用の一部を給付してもらう事が可能です。サービスを利用するためには、市区町村の窓口に申請し「要介護認定」を受け、ケアマネージャーにケアプランを作ってもらいましょう。

提案2:介護者の負担軽減に「入浴介護」を利用する

介護者の負担軽減のために「入浴介護」の利用も良い方法です。介護のなかでも、もっとも気を遣い大変と言われているのが入浴介護。訪問入浴も介護保険を利用できるため、定期的な利用をおすすめします。

自宅のお風呂場や訪問スタッフが持参した「浴槽」で入浴できるため、要介護者もリラックスした環境で入浴が可能です。身体状況に応じて、足だけ入浴する「足浴」や「清拭」なども含まれているため、要介護者の身体状況に合わせて、身体を清潔に保つことができます

提案3:訪問看護で医療ケアをカバーする

要介護者の身体状況に応じて、訪問看護を利用しても良いでしょう。「病院へ連れていくほどではない」「簡単な医療ケアをカバーしてほしい」などの要望に応えてくれます。

訪問看護は、自宅まで看護師や保健師などが訪問し、床ずれの予防や処置、食事指導や口腔ケアをメインに提供してくれます。要介護認定を受けていれば、認定の重症度に限らず利用できるため、サービスを利用して生活の質を維持することに努めましょう。

提案4:施設利用を検討する

在宅で寝たきりの介護を続けるためには、施設利用を検討するのも良い方法です。介護に費やす時間が長くなると、家族でさえも次第に「厳しい」と感じるときがあるでしょう。

デイサービスや短期入所なら、要介護者が「家を空ける時間」ができるため、介護者の時間を確保することができます定期的な利用が可能なら、「適度な距離」を保つことができるため、お互いに感謝の気持ちを持って接することができますよ。

寝たきりの方が利用できる施設と費用の目安

寝たきりの方が利用できる施設として、以下のものがあります。費用の目安と一緒にどのような施設かを確認していきましょう。

施設 費用(月額費用)の目安
特別養護老人ホーム 5~15万円
介護医療院 0~14万円
介護老人保健施設 8~14万円
介護付き有料老人ホーム 15~30万円(別途初期費用がかかることもあり)

要介護度が高い方が優先的に入所できる「特別養護老人ホーム」

特別養護老人ホームは、要介護度が高い方が入所できる介護施設です。社会福祉法人や地方公共団体が運営していて、入居費が介護保険でカバーできるため費用を抑えることができます。

長期利用が前提で、終身利用が可能な点も人気の理由です。しかし施設によっては数年にわたって待機期間が生じることもあるため、利用を検討した段階で早めの手続きをおすすめします。

医療ケアを受けられる「介護医療院」

医療的ケアが必要なら、「介護医療院」がおすすめです。介護医療院は、「社会復帰を目指す養護施設」という位置づけで、医療ケアのほか、自立支援や食事サービスが提供されます。

医療スタッフが常駐するため、痰の吸引や経管栄養などにも対応可能。リハビリ専門職や栄養士などもいるため、充実したケアを受けられます。しかし居室が相部屋のことが多いため、プライバシーを重視する型には不向きです。

一時的な利用なら「介護老人保健施設」

一時的な利用を検討しているなら、「介護老人保健施設」がおすすめです。身体状況が安定している方を受け入れている施設で、在宅復帰を前提に生活援助や機能訓練などのリハビリに力を入れています。

基本的には、3ヶ月~1年程度の利用が想定されており、在宅復帰を目標として退院後に一時的に入所する方が多い傾向です。

待機時間が短い「介護付き有料老人ホーム」

すぐにでも入所したいなら、「介護付き有料老人ホーム」がおすすめです。運営が民間企業であることから施設数が多く、待機期間が比較的短く済みます。

スタッフが24時間体制で介護サービスを提供してくれるため、安心して利用ができます。レクリエーションやイベントも充実していることが多く、施設によって特徴があるため、事前に見学することをおすすめします。

介護の仕方・関わり方を知れば家族のわがままを受け入れられる

自宅で寝たきりの介護を続けることは、想像以上に大変です。寝たきりという時点で、要介護4もしくは要介護5に相当することが予測されるため、もし「要介護認定」を受けていない場合には、早めに申請することをおすすめします。

要介護認定を受けたら、介護者の負担を考えながら、どのようなサービスを受けたいかを検討しましょう。「限界」を感じる前に「サービス・施設利用」できるよう行動することが、在宅介護を無理なく続けるポイントです。

 

 

関連記事

新着記事

記事カテゴリ