デイサービスの一日のスケジュール完全ガイド/利用者と家族のためのタイムテーブルをご紹介
デイサービスは、要介護者や高齢者が専門施設で一定時間を過ごし、排泄や入浴・食事などのケアを受けるサービスです。
利用者は自宅から送迎されて、リハビリや様々なプログラムを通じて身体機能の維持や向上を図ることができます。
デイサービスを利用することで利用者は身体機能を保つことができ、社会的な孤立を防ぐことが可能です。
また、ご家族の介護負担も軽減されるので、安心して日常生活を送ることができるでしょう。
本記事をご覧いただくことで次の内容が理解できるほか、デイサービスの一日のスケジュールがわかります。
- デイサービスの一日の基本的なスケジュール
- デイサービスの4つの種類の特徴と一日のスケジュール
利用者やその家族がデイサービスでの過ごし方を正しく理解され、介護サービスを安心して利用しましょう。
デイサービスとは
デイサービス(通所介護)とは、高齢者や要介護者が日中に利用できる介護サービスの一つです。
このサービスは、自宅での生活が困難な方々が日帰りで施設を利用し、専門スタッフから必要なケアやリハビリテーションを受けることを目的としています。
デイサービスでは、健康管理や入浴・食事の提供などの基本的な生活支援が行われるだけでなく、同世代の利用者と一緒にレクリエーションや趣味活動を楽しむことが可能です。
これにより、心身の健康を維持し、社会的な孤立感を解消することができるのです。
また、利用者の家族にとっても介護の負担が軽減されるため、大きな助けになるでしょう。
デイサービスは、地域社会において要介護者や高齢者が心穏やかに暮らせる重要な役割を担っているのです。
デイサービスの一日の基本的スケジュール
デイサービスの一日の主なスケジュールは次の通りです。
- 自宅からデイサービス施設への送迎
- 施設に到着後、健康チェック
- リハビリ体操や嚥下体操・入浴・排泄
- リハビリや各種レクレーション
- 昼食や口腔ケア
- 休憩時間
- 午後の活動
- おやつタイム
- リラックスタイム
- 一日の振り返り
- 送迎車で自宅まで送迎
ここでは、デイサービスの主なスケジュールを具体的に確認しましょう。
※ご紹介するスケジュールは【一般的なデイサービス】の一例であり、施設や種類によって異なります。
詳細は、利用する施設に直接問い合わせて、具体的なスケジュールやプログラムを確認してください。
①【8:30~9:30】自宅からデイサービス施設への送迎
デイサービスの一日は、介護スタッフによる自宅への送迎からはじまります。
介護スタッフが専用の送迎車を利用して自宅まで迎えに来てくれて、施設まで安全に送ってくれます。
送迎車には介護スタッフが同乗しているので、安全面では心配する必要はないでしょう。
なお、多くの送迎車では他の利用者との相乗りになるケースも多々あるようです。
②【9:30~10:00】施設に到着後、健康チェック
施設に到着すると、まずは介護スタッフが利用者を温かく迎え入れてくれます。
その後、看護師や介護スタッフによる健康チェック(主に血圧や体温・脈拍・バイタル測定)が行われて健康状態が確認されます。
これにより、利用者一人ひとりの体調に合わせたケアが決まるのです。
健康チェック後、利用者はロビーやリラックススペースで他の利用者と交流しながら、朝の活動が始まるのを待ちましょう。
③【10:00~10:30】リハビリ体操や嚥下体操・入浴・排泄
健康チェックの後は、各部屋に移動して朝の軽いリハビリ体操や入浴・排泄などの基本的な生活介護が実施されます。
入浴前には排泄や着脱介助などが行われ、入浴後の整髪やドリンクなども提供される場合もあるでしょう。
排泄介助については利用者一人ひとりの状態に応じ、声かけによるトイレへの誘導や、介護スタッフによるパット・おむつ交換など適切な対応をしてもらえます。
④【10:30~12:00】リハビリや各種レクレーション
リハビリなどの個人トレーニングが行われ、身体機能の維持・向上を図るとともに、利用者に合った専門的な訓練プログラムが実施されます。
また、レクレーション活動も行われており、例えば手工芸や絵画・音楽活動などの趣味活動やゲームやクイズなどのグループリレーションもあり、楽しいひとときを過ごせるでしょう。
⑤【12:00~13:00】昼食や口腔ケア
施設では利用者の健康状態や食事制限に応じて、栄養バランスの取れた食事が用意されます。
施設によってメニューは異なりますが、例えば和食や洋食をはじめ、特別なケアが必要な場合はミキサーを利用した「ドロドロ状」の食事も提供されます。
⑥【13:00~14:00】休憩時間
昼食後の休憩時間は、利用者が自由なひとときを過ごすことができます。
リラックスできるスペースもあるので昼寝することができたり、他の利用者とおしゃべりを楽しむこともできます。
⑦【14:00~15:00】午後の活動
午後の活動は、再びリハビリや個別トレーニングの時間です。
専門のリハビリスタッフが、一人ひとりの状態に合わせたトレーニングを実施し、身体機能の向上をサポートします。
リハビリを行わない場合は、創作活動や趣味の時間が設けられていて、心身のリフレッシュが図れます。
⑧【15:00~15:30】おやつタイム
午後の活動の後には、楽しいおやつタイムがあります。
軽食やお菓子、飲み物が用意され、利用者はリラックスしながら楽しむことができます。
⑨【15:30~16:30】リラックスタイム
おやつタイムの後は、リラックスできる環境が整えられています。
音楽を聴いたり、マッサージチェアを利用したりすることで、心身ともにリフレッシュできます。
⑩【16:30~16:45】一日の振り返り
夕方になると、一日の振り返りとして、介護スタッフが利用者に対し、その日の活動や行動について感想を述べる場合があります。
例えば「今日は体操に積極的に参加されていましたね」「創作活動で素晴らしい作品ができましたね!」といった、具体的なフィードバックが行われ、次回の活動に繋げているのです。
⑪【16:45~】送迎車で自宅まで送迎
デイサービスの終わりは、スタッフが送迎車で自宅まで送り届けてくれます。
介護スタッフも同乗して利用者の安全に注意を払ってくれるので、自宅まで安心して帰ることができます。
デイサービスの4つの種類の特徴と一日のスケジュール
デイサービスは、大きく分けて4つの種類に分類されます。
- 一般的なデイサービス
- 認知症対応型デイサービス
- リハビリ特化型デイサービス
- 療養型デイサービス
上記それぞれのデイサービスの種類は異なり、スケジュールも各施設によって違います。
ここではデイサービスの4つの種類の特徴と、主なタイムスケジュールをみてみましょう。
一般的なデイサービス(通所介護)
一般的なデイサービスは、利用者の心身機能の維持や、家族の介護負担の軽減を目的とした施設です。
特に、要介護者の社会的孤立を防ぐため、利用者の外出機会を積極的に支援することが重視されているのが特徴的です。
多くのデイサービス事業所では、利用者が充実した楽しい一日を過ごせるようにあらゆる角度から工夫されています。
一般的には、朝から夕方までの間に、食事や入浴・排泄・機能訓練・レクリエーションなどが実施されているようです。
時間 | サービス内容 |
8:30~9:30 | スタッフが自宅まで送迎 |
9:30~10:00 | 健康チェック |
10:00~12:00 | リハビリや入浴・レクレーション |
12:00~13:00 | 昼食 |
13:00~14:00 | 休憩・リラックスタイム |
14:00~15:00 | 午後の活動 (レクリエーションや趣味活動) |
15:00~15:30 | おやつタイム |
15:30~16:30 | リラックスタイム |
16:30~16:45 | 一日の振り返り |
16:45~ | スタッフが自宅まで送迎 |
デイサービスの対象者は要介護認定を受けている方ですが、要支援認定を受けている方も利用できる施設もあります。
認知症対応型デイサービス
認知症対応型デイサービスは、認知症を患っている高齢者を主な対象としています。
認知症の進行を遅らせるための専門的なケアやプログラムが提供されるため、認知機能の維持や向上を目指す方に適しています。
また、認知症特有の行動や症状に対応できる専門スタッフが揃っているため、安心してサービスを受けることができます。
時間 | サービス内容 |
8:30~9:30 | スタッフが自宅まで送迎 |
9:30~10:00 | 健康チェック |
10:00~12:00 | 認知症ケアプログラム (ゲームや脳トレ・軽い運動など) |
12:00~13:00 | 昼食 |
13:00~14:00 | 休憩・リラックスタイム |
14:00~15:00 | 午後の活動 (レクリエーションや趣味活動) |
15:00~15:30 | おやつタイム |
15:30~16:30 | 認知症ケアプログラム (認知症予防のための活動) |
16:30~17:00 | 一日の振り返り |
16:45~ | スタッフが自宅まで送迎 |
認知症対応型デイサービスには、要介護1以上に認定されて、医師より認定認知症(軽度から重度)の診断を受けた方が利用できます。
認知症の状況によっては、希望するデイサービスの利用が厳しい場合もあります。
そうした状態を見極めて、認知症対応型サービスの選択を検討すると良いでしょう。
参照元:厚生労働省「認知症対応型通所介護」
リハビリ特化型デイサービス
リハビリ特化型デイサービスは、リハビリテーションが必要な方が主な対象者です。
特に、病気や怪我の後遺症からの回復を目指す方や、運動機能の維持・向上を目指す方に適しています。
常駐する理学療法士や作業療法士などの専門スタッフが、利用者に合わせたプログラムを提供しています。
ですので、個別のリハビリ計画に基づいて機能回復を図りたい方には最適なデイサービスです。
時間 | サービス内容 |
【午前の部】 8:30~9:00 【午後の部】 13:00~13:30 |
スタッフが自宅まで送迎 |
【午前の部】 9:00~9:15 【午後の部】 13:30~13:45 |
健康チェック |
【午前の部】 9:15~10:20 【午後の部】 13:45~14:50 |
・ストレッチ準備体操 ・マシーントレーニングなど |
【午前の部】 10:20~10:30 【午後の部】 14:50~15:00 |
休憩 |
【午前の部】 10:30~11:50 【午後の部】 15:00~16:20 |
ストレッチ運動 |
【午前の部】 10:30~12:10 【午後の部】 16:20~16:40 |
運動メニューの終了後、健康チェック |
【午前の部】 12:10~【午後の部】 16:40~ |
スタッフが自宅まで送迎 |
リハビリ特化型デイサービスは、3時間程度の短時間で実施される場合が多く、長時間の訓練が心配な方も安心して利用できます。
療養型デイサービス
療養型デイサービスは、医療や看護ケアが必要な高齢者や重度の要介護者を主な対象としています。
具体的には、難病を患っている方や末期がんの患者、脳血管疾患の後遺症がある方など、日常的に医療的なサポートが必要な方の施設です。
医師や看護師が常駐しているため、医療ケアや緊急対応が求められる方に適しており、安心して利用できる環境が整っています。
療養型デイサービスを利用することで、利用者の心身的不安やご家族の介護負担が軽減されることでしょう。
時間 | サービス内容 |
8:30~9:30 | スタッフが自宅まで送迎 |
9:30~10:00 | ・健康チェック ・必要な医療ケアの実施 |
10:00~12:00 | 入浴 |
12:00~13:00 | ・昼食 ・薬の服用 |
13:00~14:00 | ・リハビリテーション ・レクリエーション |
14:00~14:30 | 水分補給(個々に対応したおやつ) |
15:00~15:30 | おやつタイム |
15:30~16:00 | ・健康チェック ・帰宅準備 |
16:00~ | スタッフが自宅まで送迎 |
療養型デイサービスの利用は、重度の要介護状態の方や常時看護師によるケアが必要な方、あるいは医療処置が必要で他の施設での受け入れができない方などが対象です。
デイサービスの一日のスケジュールと一緒に押さえるべき重要ポイント
デイサービスは、高齢者や要介護者、あるいはご家族の日常生活を支える大切なサービスです。
そこで、利用者やご家族が安心してサービスを受けられるために、下記のポイントに注意しましょう。
- サービス内容の確認
- 利用料金と費用負担
- 送迎サービスの確認
- 健康管理とケアプラン
- 施設環境と設備
- 活動内容とプログラム
- 円滑なコミュニケーション
利用者本人の心身状態やデイサービスの種類、あるいはお住まいのエリアによって選択ポイントが異なる場合があります。
介護サービスを利用する前に、まずは地域包括支援センターやケアマネジャーと心ゆくまで相談なさると良いでしょう。
サービス内容の確認
デイサービス施設によって提供されるサービス内容は多岐にわたるため、まずはプログラム内容の確認が重要です。
リハビリテーションやレクリエーション、健康チェックなどの具体的な内容も把握しましょう。
さらに、認知症ケアや医療ケア、日常生活支援の有無も確認し、利用者の状態に合ったサービスを選ぶことが必要です。
食事の提供も重要なポイントで、栄養バランスやアレルギー対応がされているか、詳細なメニューや管理方法を確認しましょう。
利用料金と費用負担
デイサービスの利用には一定の費用がかかります。
介護保険を利用する場合でも、自己負担が発生する場合があるため、料金体系を事前に確認することが大切です。
基本料金や追加料金の有無、特別なサービスに対する追加費用なども詳しく理解する必要があります。
介護保険や自治体の補助制度を活用する方法を調べることで、自己負担を軽減することができます。
さらに、月額や日額の支払い方法とそのタイミングを確認し、計画的な費用の管理を行うことが大切です。
送迎サービスの確認
送迎サービスの有無や詳細についても重要ポイントです。
自宅からデイサービス施設までの送迎範囲と距離を確認し、利用者がスムーズに移動できるかをチェックしましょう。
送迎時間も確認し、自宅を出る時間や帰宅予定時間を把握し、日常生活に支障がないかどうかを確認してください。
さらに、送迎時の安全対策についても確認しましょう。
車内の安全設備やスタッフの同乗状況、緊急時の対応方法など、利用者の安全を確保するための対策がしっかりとされているかを見極めることが大切です。
健康管理とケアプラン
利用者の健康状態に応じたケアがどのように提供されているかを把握することも大切です。
例えば、血圧や体温・脈拍などの定期的なチェック体制が整っているかが確認ポイントです。
利用者個々の健康状態や心身状況に基づいて、個別ケアプランの作成と更新が行われているかも重要です。
さらに、医師や看護師との連携がスムーズに行われているかも確認し、適切なケアがなされていることも確認しましょう。
施設の環境と設備
デイサービス施設内の清掃状況や衛生管理が徹底されて快適に過ごせるかどうかも確認必須です。
また、バリアフリー設計や緊急時の対応説明がきちんとなされているかもチェックしてください。
さらに、介護スタッフや看護師の資格やトレーニング状況も確認することが重要です。
資格を持った専門スタッフが適切なケアを提供できるかどうかが、施設選びの重要なポイントとなります。
活動内容とプログラム
デイサービスで提供される活動やプログラムが充実しているかを確認しましょう。
手工芸・音楽・ゲーム・体操など、利用者が楽しめる多様なプログラムが組まれていることが理想です。
また、利用者の趣味や興味に合わせた個別対応が組まれていると、より充実した時間を過ごすことができます。
さらに、社会参加の機会として、他の利用者との交流や地域活動への参加が設けられていることも重要ポイントの一つです。
円滑なコミュニケーション
利用者や家族とのコミュニケーションが円滑であることが大切です。
定期的に利用者の状態や活動内容についての報告を受けることで、安心してサービスを利用することができます。
また、利用者や家族からの意見や要望に対する対応が適切であるかも確認しましょう。
フィードバックがしっかりと反映されることで、サービスの質が向上します。
問題や疑問が生じた際の相談窓口が設置されているかを確認し、いつでも安心して相談や質問ができる環境が整っていることを確認してください。
デイサービス一日のスケジュールのまとめ
デイサービスは、要介護者や高齢者が日常の一定時間を専門施設で過ごし、各種ケアやリハビリを受けられるサービスです。
利用者は自宅から施設に送迎され、一日のスケジュールに沿って、リハビリやレクレーション、食事、入浴などの活動を行います。
デイサービスを利用することで、利用者は身体機能を維持し、社会的な孤立を防ぎ、ご家族の介護負担を軽減することができます。
利用するデイサービスの種類やプログラムによって、スケジュールや活動内容が異なるため、具体的な詳細は各施設に直接問い合わせることが重要です。