デイサービスのリハビリテーションをより効果的なものにする方法
デイサービスでは、どのようなリハビリが行われているかご存知ですか?ひとことでデイサービスといっても、最近では趣味やリハビリに特化したサービスも多く存在します。
検討するデイサービスがどのタイプに属するのかを理解しておくと、自分の体調に適したリハビリを受けることができますよ。
この記事では、デイサービスをメインに提供するリハビリ特化型デイサービスについてご紹介します。一般的なデイサービスとの違いや利用手順を理解して、より快適なサービスを受けましょう。
リハビリをメインに提供する「リハビリ特化型デイサービス」とは!?
リハビリ特化型デイサービスは、介護保険上「通所介護」にあたり、一般的なデイサービスと同じ位置づけです。具体的に、提供されるそれぞれのリハビリテーションの内容を見ていきましょう。
一般的なデイサービスで提供されるのは機能訓練
一般的なデイサービスで提供されるリハビリは、機能訓練と呼ばれています。機能訓練指導員が機能訓練の指導を行い、施設に1人以上配置する決まりとなっています。
機能訓練は事前に医師の指導を受ける必要がありません。歩行や体操、手工芸やレクリエーションなどを通して、日常生活に必要な基本動作の減退を防止する事が目的です。
厚生労働省が平成28年に行った調査では、医師と連携している一般的なデイサービス施設でも、訓練内容の報告が行われている例は16.4%でした。
訓練実施後の効果や副作用に関しては3.5%という点からも、一般的なデイサービスは、基本動作を維持しながらゆったり過ごしたい人におすすめです。
「リハビリ特化型デイサービス」はリハビリテーションを提供する
リハビリ特化型デイサービスは、筋力トレーニングやストレッチ、持久力・体力トレーニングといったリハビリテーションが提供されます。
理学療法士・作業療法士などのリハビリ専門職がリハビリテーションを行い、一般的なデイサービスで提供される機能訓練と違って医師の指導が必要です。
厚生労働省が平成28年に行った調査では、医師と連携しているリハビリ特化型デイサービスでは、訓練内容の報告が行われている例は63.2%でした。
訓練実施後の効果や副作用に関しては17%、利用者様の病状の報告が57%行われていたという点からも、リハビリを積極的に受けたい人が安心して利用できる環境が整っています。
「リハビリ特化型デイサービス」の特徴
リハビリ特化型デイサービスは食事や入浴、レクリエーションなどは提供されず、リハビリに絞ったサービスが提供されます。リハビリ特化型デイサービスの特徴を把握すると同時に、具体的にどのような環境下でリハビリを行うのかに注目して見ていきましょう。
リハビリの専門知識を持つスタッフが対応
リハビリ特化型デイサービスでは、一般的なデイサービスよりも理学療法士や作業療法士が多い事が特徴です。専門家による、よりきめ細かなリハビリを提供してくれます。
利用者様の体調や状況を確認して、それぞれに合ったリハビリメニューを組んでくれ、施設によっては、定期的に訓練実施後の効果や課題を評価することも可能です。
オーダーメイドのリハビリプログラムを組むことによって、利用者様の目標達成や能力の向上につながり、生きがいになることもあるでしょう。専門家と相談しながらリハビリを進めることができるため、無理なく安全に取り組むことができます。
訓練のためのマシンが充実
リハビリ特化型デイサービスは、一般的なデイサービスと比較して訓練のためのマシンが充実しています。マシンの充実度は施設によって異なるため、どのようなトレーニングを希望するのかを考えてもよいでしょう。
なかにはエアロバイクやルームランナーを取り入れて、フィットネスクラブと同等のトレーニングを行える施設もあります。
マシン以外にも、理学療法士の個別リハビリがあったり、行ったメニューをコンピュータ管理できたりとサービス内容が施設ごとにそれぞれ異なります。事前に一度見学をすると良いでしょう。
提供時間が短いためコストを抑えられる
リハビリ特化型デイサービスは、利用料金自体は基本的に一般的なデイサービスと変わりありません。しかし以下に示すような理由により、一般的なデイサービスよりもコストを抑えられる場合があります。
リハビリ特化型デイサービスは、サービス提供時間が2~3時間という施設が一般的です。入浴や食事などは提供されないことが多く、入浴介助加算や食費などは必要ありません。滞在時間が短くなれば、おむつ代やおやつ代など「その他実費」をおさえることにつながります。
しかし配置される専門スタッフの人数や施設によって個別機能訓練加算の単位が異なるため、事前に確認・納得をしたうえで契約をしましょう。
リハビリ特化型デイサービスを利用するには
どうしたら実際にリハビリ特化型デイサービスを利用できるのでしょう。利用条件や料金、手続きを具体的に確認していきましょう。
どんな人が利用できる?
リハビリ特化型デイサービスは、「要介護1~5」の認定を受けた人、「要支援1・2」で「介護予防通所介護相当サービス」に該当する人が利用できます。自立している人でも自費での利用が可能です。
そのため介護度が低い人が多く、入浴や食事の介助を必要としない比較的元気な利用者様が多い事が特徴です。
マシン設備だけではなく外装や内装までこだわった施設も多く、介護サービスの利用に抵抗がある人、本来であればフィットネスに通いたいが体力的に不安を感じるという人に評価を得ています。
料金はどれくらい?
リハビリ特化型デイサービスの利用料金は、基本的に一般的なデイサービス料金と同等です。介護報酬の算定構造(令和3年4月施行版)から、通常規模の施設で利用時間「3時間以上4時間未満」を例に見てきましょう。
通常規模型の通所介護費
介護度 | 自己負担額(1回/円) |
要介護1 | 368円 |
要介護2 | 421円 |
要介護3 | 477円 |
要介護4 | 530円 |
要介護5 | 585円 |
時間帯や地域によって若干異なることがあります。飲み物代や個別機能訓練加算など別途費用がかかることもあるため、利用予定の施設に確認しましょう。
利用手順
リハビリ特化型デイサービスの利用手順をご説明します。要支援・要介護認定を受けている人は2から、受けていない人は1からの手順で進めます。
- 介護サービスを受けるためには、介護保険の申請が必要です。お住まいの市区町村の窓口に書類を提出します。
- 担当のケアマネにケアプランを作成してもらいます。この時にリハビリ特化型デイサービスの利用を希望している旨を伝えましょう。
- 紹介してもらった施設から気になったものがあれば、見学をしましょう。
- 利用する施設が決まったら、利用回数やその他サービスとの兼ね合いをケアマネと相談し、ケアプランを作成してもらいます。
- 施設と契約をし、サービスの利用を開始します。
介護保険証が届くまで、申請後1~2ヵ月かかります。無料体験を行っている施設も多くあるため、積極的に足を運びましょう。
自分が求めるリハビリをデイサービスで受けるポイント
より自分の希望に沿ったリハビリを受けるためには、いくつか心得ておくポイントがあります。ポイントをおさえておくと、スムーズにサービスを提供してもらうことができますよ。
ポイント1:利用者様の目的を明確にする
自分が求めるリハビリをデイサービスで受けるためには、利用者様の目的を明確にしておきましょう。利用者様の意欲があれば、サービスを受けることでより高い効果が期待できます。とくにリハビリ特化型デイサービスを利用する場合には、以下のような目的を持った人が向いています。
- 専門家のもとでより効果が高いリハビリを期待する人
- 趣味を楽しむために体力・筋力をつけたい人
- 短時間で集中したトレーニングを求める人
周囲の人と雑談を楽しみながらゆったりしたリハビリを求める人や、食事やレクリエーションなどの別な楽しみを味わいたい人は、一般的なデイサービスの方が向いているでしょう。
ポイント2:施設の見学で雰囲気を味わう
気になる施設があれば、施設の見学や無料体験に参加して雰囲気を味わうことをおすすめします。契約してからでは、あちこちの施設を見てまわることは困難です。
妥協せずに利用者様自身が参加することで、「こんなはずではなかった」という事態を防ぐことができます。また、機能訓練やリハビリの度合いを見て、自分の目的や体力に合った内容かどうかをしっかりチェックしましょう。
利用者様が納得したうえで、ご家族も利用の様子を思い描くことができる。それがより効果が高いサービスを受けられるポイントです。
ポイント3:スタッフや他の利用者様とコミュニケーションをとる
自分が求めるリハビリを受けるためには、スタッフや他の利用者様とコミュニケーションをとりましょう。自分がやりたいこと、興味を持ったことを積極的に発信していくのです。
たとえばもっと足の筋力を鍛えたい、リハビリの時間を少し増やしたい。スタッフが直接希望を聞けば、利用者様の希望に近い対応をしてくれることがあるでしょう。
他の利用者様との会話でも、同様の効果が期待できます。直接的な対応をしてくれることはありませんが、どのマシンなら自分のニーズを満たしてくれるか、誰に相談したら良いかを教えてもらえることがありますよ。
意欲的に運動したいならリハビリ特化型デイサービスを利用しよう
リハビリ特化型デイサービスは、医師の指導のもとリハビリテーションを提供する通所介護施設です。リハビリの専門知識を持つスタッフが対応し、訓練のためのマシンが充実しています。
サービス提供時間が短いため、入浴や食事は行われない事が一般的です。自立している人でも自費で利用できますが、介護保険の申請により1回500円前後で利用が可能です。(施設によって飲み物代や個別機能訓練加算などが別途かかります。)
自分が求めるリハビリを受けるためには、ケアマネや施設スタッフ、他の利用者様とのコミュニケーションをとりましょう。リハビリ特化型デイサービスなら、あなたの「運動したい」気持ちに応えてくれますよ。