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ホームヘルパーとは?仕事内容から頼み方まで徹底解説

介護が必要なご家族がいると、自分1人ですべてを担うのは大変ですよね。いろいろ対応してあげたいと思っても、仕事との両立や自分の体調不良などで難しい場合もあるでしょう。

この記事では、介護の手助けが必要なときに頼める、ホームヘルパーについて詳しく解説します。

記事を読めば、ホームヘルパーの仕事内容や頼むための方法、料金の目安までわかるようになるでしょう。在宅生活の負担を軽減するためにお役立てください。

ホームヘルパーとは

ホームヘルパーとは、介護や支援が必要な方の自宅を訪問して、家事や身の回りの生活を助けたり、トイレや食事などの身体介護を手伝ってくれたりする人です。別名「訪問介護員」とも呼ばれます。

ホームヘルパーになるためには、「介護職員初任者研修」を修了する必要があります。ほかにも、介護福祉士実務者研修修了者や、介護福祉士の資格を持っている人が、ホームヘルパーになれます。

研修には、100時間以上の講義のほかに、実技試験も含まれます。そのため、ホームヘルパーは、介護に関する専門家といえます。

ホームヘルパーの仕事内容

ホームヘルパーの主な仕事内容は、身体介護と生活援助の2つです。それぞれの具体的な仕事内容について説明します。

身体介護

身体介護は、直接利用者の身体に触れて行う援助です。仕事内容の例を表にまとめました。

身体介護の例
食事介助 入浴の介助・清拭 排せつ介助やおむつ交換
着替えや整容の介助 体位変換 ベッドの起居動作の介助
車いすなどの移乗介助 服薬の介助 歩行・移動介助

表のほかにも、医療行為以外の内容であれば、援助してもらえます。

生活援助

生活援助は、介護が必要な1人暮らしの方などを対象に、日常生活に必要な家事を助けてくれるサービスです。

生活援助は、原則として元気な同居のご家族がいる場合は利用できません。ただし、ご家族の状況次第では利用が認められる場合もあるので、希望する場合はケアマネジャーに相談するとよいでしょう。

生活援助の例を示します。

生活援助の例
食事作り 掃除 洗濯
薬の受け取り ごみ出し 日常生活に必要な買い物

「生活援助」は、介護保険法で認められている、日常生活の維持に必要な家事などのサポートです。生活に必要な範囲以上の内容は、手助けできない決まりです。

尚、身体介護や生活援助ほど多くありませんが、ホームヘルパーの仕事には、通院などの往復の介助サポートもあります

ホームヘルパーができない仕事は?

ホームヘルパーの仕事は、基本的に利用者本人に対して、日常生活のサポートをすることです。そのため、本人以外へのサポートや、しなくても日常生活に支障がないと判断される行為は行えません。また医療行為は禁止されています

本人以外のための援助

ホームヘルパーは、利用者本人以外へのサポートは行えません。「ご本人のための調理や洗濯のついでにご家族分も」というわけにはいかない決まりです。

日常生活に支障ないと判断される行為

ホームヘルパーは、できなくても日常生活に支障ないと判断される行為や、日常的に行われる家事の範囲を超える行為については、サポートできません。具体例を示します。

  • 庭の水やり
  • 車の洗車
  • 換気扇などの大掃除
  • お酒や化粧品など、日常生活に必要ではない買い物
  • 特別料理(おせち料理)

1つずつ細かい規定があるわけではないので、ヘルパーや事業所によって判断が異なる場合があります。「これはしてもらえるかな」と迷う援助があれば、ケアマネジャーや事業所に相談しましょう。

本人不在時の行為

ホームヘルパーはご本人がいない場でのサービスは行えません。家事や掃除などの生活援助サービスだけを受けたい場合でも、必ずご本人が同席する必要があります。

医療行為

ホームヘルパーが医療行為をすることは、医師法により禁じられています。たとえご本人やご家族ができる行為でも、ホームヘルパーが行うのは違法です。

ただし介護保険法の改正によって、厳しい要件を満たせば、経管栄養や痰の吸引処置が行えるようになりました。ご希望の場合はケアマネジャーに相談しましょう。

ホームヘルパーを頼みたいとき

ここからは、ホームヘルパーを頼める対象者や、頼みたいときの手順について説明します。

ホームヘルパーを頼める対象者

ホームヘルパーを頼むには、要介護認定を受ける必要があります。具体的には以下の方です。

  • 要介護1~5の方
  • 要支援1~2の方

介護度によって、頼める回数や時間の制限が異なります。介護度が重い方のほうがたくさん利用できる仕組みです。

ホームヘルパーを頼む手順

ホームヘルパーを頼む手順は以下の通りです。

要介護認定を申請する

ホームヘルパーを頼みたいと思ったら、まずはお住いの市区町村の窓口で、「要介護認定」の申請をしましょう。

ケアプランを作成してもらう

原則30日以内に認定結果の通知が届くので、介護度を確認しましょう。ホームヘルパーを頼むためには、介護(介護予防)計画書(ケアプラン)を作成してもらう必要があります。

要支援か要介護かによって、ケアプランの作成を依頼する先が異なります。

介護度 ケアプラン名 ケアプランの作成を依頼する相手
要支援1、要支援2の方 介護予防計画書(ケアプラン) 地域包括支援センター
要介護1~5の方 介護サービス計画書(ケアプラン) ケアマネジャーのいる居宅介護事業者

(参照:厚生労働省「サービス利用までの流れ」)

ケアプランにホームヘルパーによる訪問介護サービスを入れてもらうと、利用の手続きに進めます。

要介護認定や介護保険サービス利用までの詳細は、以下のサイトをご覧ください。
要介護認定とは?要介護度別の特徴とサービス利用までの流れをご紹介

ヘルパー事業所を決める

ホームヘルパーの利用が決定したら、ヘルパーの事業所を決めましょう。どのように選んだらよいかわからない場合は、ケアマネジャーに紹介してもらうとよいでしょう。

ホームヘルパーとは頻繁に顔を合わせるので、自分に合った事業所を選ぶのが大切です。

事業所は、以下のような点を意識して選ぶとよいでしょう。

  • サービスの内容や費用に関しての説明がわかりやすい
  • 希望した日時でサービスが受けられる
  • サービスが利用しやすい(訪問日の変更やキャンセル時の対応など)

料金やサービス内容がわかりやすいのはもちろん、訪問予定日の変更やキャンセル時の対応などが納得できる事業所を選びましょう。

できれば複数の事業所を比較して選ぶのがおすすめです。パンフレットやHPの情報のほか、実際に話を聞いてみると雰囲気もわかりやすくてよいでしょう。

ホームヘルパーはどのくらい利用できるの?

ホームヘルパーに来てもらうのは介護保険によるサービスで、介護度別に1ヶ月に利用できる限度額(支給限度額)が決まっています。

区分 支給限度額
自己負担割合1割の場合(円)
要支援1 5,032円
要支援2 10,531円
要介護1 16,765円
要介護2 19,705円
要介護3 27,048円
要介護4 30,938円
要介護5 36,327円

※1単位10円として計算

(引用元:厚生労働省「サービスにかかる利用料」)

支給限度額の範囲であれば原則1割の費用負担(一部高所得の方は2、3割負担)で利用できますが、限度額を超えると全額自己負担になるので注意が必要です。

また、1日に2回以上ホームヘルパーを頼みたい場合は、間に2時間以上空けなければいけないなどの決まりがあります。

ホームヘルパーの料金の目安は?

ホームヘルパーを頼む料金は介護保険法で決められていますが、お住いの地域や事業所によって、多少変動します。また、要介護か要支援かで異なります。

要介護の方の料金

要介護の方がホームヘルパーを頼む料金を表に示します。

自己負担割合や地域によって、料金は上下します。事業所のサービス体制などによる追加費用(加算)がかかる場合もあるので、料金はあくまでも目安としてとらえておきましょう。詳しくは事業所に直接ご確認ください。

サービス種類 時間 利用者負担(1割負担の場合)
1回につき
身体介護 20分未満 165円
20分以上30分未満 248円
30分以上1時間未満 394円
1時間以上1時間半未満 575円
生活援助 20分以上45分未満 181円
45分以上 223円
通院時の乗車・降車等介助 98円

※1単位10円として換算

(引用元:厚生労働省「どんなサービスがあるの? – 訪問介護(ホームヘルプ)」)

わかりにくいと思うので、具体例を見てみましょう。
「サービスの種類別の料金×利用時間」で大まかに計算できます。

月額料金例:
要介護2で1割負担の方が、1回45分の身体介護を、週2回頼む場合
394円×2(回)×4(週間)=3,152円(月額)

上記の金額に、事業所による追加の料金が別途かかります。

要支援の方の料金

要支援の方の場合は、1か月の料金で計算します。自己負担割合や地域により異なるので、こちらも大まかな目安ととらえておきましょう。

サービス名 対象者
頻度
月額利用料金(1割負担の場合)
訪問型サービスⅠ 要支援1、2
週1回程度
1,176円
訪問型サービスⅡ 要支援1、2
週2回程度
2,349円
訪問型サービスⅢ 要支援2
週2回を超える程度
3,727円

※1単位10円として換算 

要支援1の方は、週2回まで利用できます。週3回を超えての訪問サービスは、要支援2の方のみが対象です。

ホームヘルパーが頼めないときに頼める保険外サービス

ここからは、国の介護保険制度の対象外の方でも頼める、「保険外サービス」について紹介します。介護認定されていない方でも利用できるので、困った時にご活用ください。

サービス提供者やサービス例を表に示します。

サービスの提供者 サービスの例
市区町村 ・食事宅配
・見守りサービス
・家事代行サービス
・外出支援サービス
・買い物代行サービス
・理美容サービス
・移動サービス
・旅行や趣味の付き添い
介護保険サービス提供事業所
民間企業やNPO法人、住民ボランティア

介護保険では認められない、家族の分も含めた家事の援助から、旅行や理美容などの生きがいにつながるようなサービスまで、さまざまあるのが特徴です。

まずは情報を調べておいて、いざというときに有効活用できるとよいでしょう。政府が出した、「保険外サービス活用ガイドブック」には、たくさんの事例が掲載されていて参考になります。

保険外サービスの利用を検討したい場合には、地域包括支援センターに相談したり、インターネットを活用したりして探してみましょう。

(引用元:地域包括ケアシステム構築に向けた公的介護保険外サービスの参考事例集

ホームヘルパーについて知って在宅生活の負担を軽減しよう

ここまでホームヘルパーについて詳しくご説明してきました。

ホームヘルパーとは、介護や支援が必要な方の自宅を訪問して、家事やトイレ動作などを手伝ってくれる専門職のことです。ホームヘルパーを頼むためには、要介護認定を受ける必要があります。

介護が大変だと感じたら、まずは要介護認定の申請をしておきましょう。認定されたうえで手続きをしたら、さまざまなサービスを利用できます。また、認定されなかった場合でも使える介護保険外サービスも多数あります。必要なときにスムーズに利用できるように、事前に情報を調べておくとよいでしょう。

この記事の情報が、在宅生活の負担を軽減するお役に立てば幸いです。

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