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住宅型有料老人ホームとは?特徴・サービス・向いている人まで解説

介護が必要なご家族のために施設を探しているけれど、たくさんありすぎてお困りの方はいませんか。調べれば調べるほど、どの施設が向いているのか、違いはどうなのかわからなくなることがあるでしょう。

この記事では、住宅型有料老人ホームについて、入居条件や料金、他の施設との違いなどについて詳しく解説しています。

記事を読めばご家族にとって住宅型有老人ホームが向いているのか、どのような点に気を付けて施設を選べばよいのかがわかります。納得できる施設選びの参考にしてください。

住宅型有料老人ホームとは

住宅型有料老人ホームとは、高齢者向けの「住まい」と「生活支援などのサービス」がセットになった施設のことです。3種類ある有料老人ホームのうちの1つで、老人福祉法に基づいて主に民間業者によって運営されています。

特徴

住宅型有料老人ホームの多くの施設では、食事の提供や洗濯・掃除、健康管理などの生活支援が受けられます

食事介助や排泄介助などの介護サービスに関しては、原則施設内でのサービスはありません。そのため、希望する場合には介護保険を利用して外部の訪問介護サービスなどを依頼します

入居条件

国の基準はないので、細かい入居条件は施設ごとに異なります。

多くの施設では、年齢は「60歳以上または65歳以上」と決められていて、介護度に関する条件は以下のようにさまざまです。

住宅型有料老人ホームの入居条件(1,963施設中)
  • 要支援及び要介護の方…32.4%
  • 要介護の方のみ…27.3%
  • 要件なし(自立~要介護の方)…36.5%

(参考:野村総合研究所「高齢者向け住まいにおける認知症ケアや看取り、医療ニーズ等の重度化対応へのあり方に関する調査研究」)

認知症の症状がある方や重点的な医療ケアが必要な方には、対応できない施設があります。入居を希望する場合にはご本人の詳しい状態を伝えて受け入れ体制があるのかを確認するとよいでしょう。

住宅型有料老人ホームのサービス内容

住宅型有料老人ホームのサービスには、ホームで提供されるサービスと、自分で別途契約する外部サービスがあります。

施設によるサービス

施設から提供されるのは、食事や掃除、洗濯といった生活支援サービスやレクリエーションなどです。

食事・掃除・洗濯などの生活支援サービス

多くの施設では、栄養バランスに配慮した食事とおやつが提供されます。塩分制限やアレルギーなどの制限食や、飲み込みの力が低下した方向けのミキサー食などに対応してくれる施設もあります。

そのほかの生活支援サービスの例は以下の通りです。施設によってサービス内容が異なります。

  • 掃除・洗濯・買い物の代行
  • 外出の支援、病院への送迎
  • 日常の見守り

食事内容や受けたいサービスなどの希望がある場合は、提供してもらえるかどうかを施設ごとに確認しておきましょう。

レクリエーション

住宅型有料老人ホームの多くの施設では、季節ごとの行事や日々の交流などのレクリエーションが充実しています。イベントの際には、季節感を感じる食事やゲーム、ご家族を呼んだ交流会などが行われます。

別途契約する外部サービス

住宅型有料老人ホームでは、介護サービスや医療サービスの提供は義務付けられていません。原則施設からは提供されないと考えておきましょう。

サービスが必要な場合には、在宅の方と同じように介護保険を利用して、外部のサービスを契約するのです。

介護サービス

介護保険による介護サービスを受けたい場合は、ケアマネジャーに依頼して契約します。

サービス形態 サービス例
訪問型サービス
  • 訪問介護
  • 訪問看護
  • 訪問リハビリなど
通所型サービス
  • デイサービス
  • デイケアなど

介護付き有料老人ホームのように「施設内でのサービス」と限定されていないために、内容や頻度、業者などを自由に選べるのが特徴です。

医療的ケア

住宅型有料老人ホームでは、スタッフの人数に関する決まりがないため、医療ケアが必要な方の受け入れ態勢は施設ごとに異なります。

平成28年の調査では、住宅型有料老人ホームに日中看護師がいる施設は32%でした。医療ケアが必要になると、病院に通院したり、往診を依頼したり、訪問看護を依頼したりするのです。

胃婁や点滴などの日常的な医療ケアが必要な方は、受け入れ体制がある施設を中心に探す必要があります。

(参考:野村総合研究所「高齢者向け住まいにおける認知症ケアや看取り、医療ニーズ等の重度化対応へのあり方に関する調査研究」)

住宅型有料老人ホームの費用

住宅型有料老人ホームの費用内訳や相場、別途契約する介護サービス費用について説明します。

入居一時金と月額費用

入居に際して支払う費用には、入居時に支払う「入居一時金」と、毎月支払う「月額費用」があります。それぞれの特徴をまとめました。

費用内容 特徴
入居一時金(前払い方式)
  • 数年分の家賃の一部を入居前に合計して支払う金額
  • 前払いした家賃分は入居後の月額料金から差し引いてもらえる
月額費用 毎月支払う下記の合計費用

  • 家賃(家賃、共益費、水光熱費など)
  • 食費
  • サービス利用費など

入居一時金は、将来分の家賃の一部を、入居時に前払いするシステムです。調査結果では、7割強の施設で何らかの前払いシステムを取り入れています。

入居一時金を前払いする施設では、前払い金の分の費用が差し引かれるため、月額費用は安めです。そのため、長期間入居する方にとってはお得ですが、短期間で退所する場合には先払いした家賃を損する可能性があります。契約の前には、早期に退去した場合に前払い金がどの程度返してもらえるのかを確認しておきましょう。

月額費用は家賃や共益費、食費、そのほかに利用したサービスなどの毎月発生する費用です。

費用目安

月額費用の目安を示します。公的な施設と違って施設ごとの費用の幅が大きいので、あくまでも目安としてとらえておいてください。

平成28年の調査による施設ごとの平均利用料金は表の通りです。入居一時金がある施設とない施設を比較するために、前払い金は月数で割って合計したうえで、月額費用に換算し直して比較しています。

施設類型ごとにみた平均利用料金

施設種類 総額費用(月額換算)
住宅型有料老人ホーム 112,431円
介護付き有料老人ホーム 238,378円
サービス型高齢者住宅
(特定施設入居者生活介護指定なし)
132,736円

(参考:野村総合研究所「高齢者向け住まいにおける認知症ケアや看取り、医療ニーズ等の重度化対応へのあり方に関する調査研究」)

一般的に介護付き有料老人ホームが高額で、住宅型有料老人ホームが安価な傾向があります。

介護サービス費用は利用した分だけ支払う

介護保険を利用した訪問介護サービスなどの費用は、利用した分だけ支払うシステムです。

多くの方の費用負担は、かかった費用全体の1割(1部の高所得の方は2~3割)です。ただしいくらでも利用できるわけではなく、表に示したように介護度別の支給限度額(上限金額)が決まっています。

区分 支給限度額
自己負担割合1割の場合(円)
要支援1 5,032円
要支援2 10,531円
要介護1 16,765円
要介護2 19,705円
要介護3 27,048円
要介護4 30,938円
要介護5 36,327円

※1単位10円として計算


(引用元:厚生労働省「サービスにかかる利用料」)

要介護認定や介護度別の上限金額の詳細は、以下のサイトをご覧ください。
要介護認定とは?要介護度別の特徴とサービス利用までの流れをご紹介

住宅型有料老人ホームのメリットデメリット

住宅型有料老人ホームの特徴をご覧いただいたところで、メリットとデメリットをまとめました。

メリット

  • 自立~要介護まで幅広い身体状況の方に対応している
  • 介護付き有料老人ホームより安い

自立~要介護の方まで、さまざまな身体状況の方が入居できます。元気なうちから入居して介護が必要になっても住み替える必要がありません。

また、住宅型有料老人ホームの費用は介護付き有料老人ホームより安価です。介護サービスは別途自分で契約するので、必要なサービスだけを受けられます。

デメリット

  • 介護サービスを多く利用すると支払いが増える
  • 介護度が重くなると住み続けられない可能性がある

デメリットは、介護サービスの利用が多くなると支払いが増えるです。住宅型有料老人ホームでの介護サービス費用は、利用した分だけ支払います。そのため、介護サービスを多く利用するのであれば、介護付き有料老人ホームのように一律料金で利用し放題の施設の方が安くすむ可能性があります。

また、介護度が重い方を受け入れていない施設では、介護度が重くなると退去が必要になる場合があります。どの程度の身体状況であれば入居し続けられるのかを確認しておくのがよいでしょう。

住宅型有料老人ホームと他の施設との違い

住宅型有料老人ホームと比較して入居を検討する方が多い施設を紹介します。

サービス付き高齢者向け住宅 老人ホーム
住宅型有料老人ホーム 介護付き有料老人ホーム
主なサービス 生活相談、安否確認 食事・家事援助などの生活支援サービス ・介護サービス全般を施設内で提供
・いくら利用しても一定料金
介護サービス 介護保険を利用して別途契約・支払い 月額料金に含まれる
主な費用 敷金
月額料金
入居一時金
月額料金
対象者 60歳以上または
要支援・要介護
施設により異なる ・65歳以上
・要介護の方
生活スタイル ・好きな時間に食事や入浴ができる
・外出が自由
食事・入浴時間などが決められている
メリット ・初期費用が安い
・自分のペースで生活できる
ほか2つの施設より安め 施設内で介護サービスが提供されて料金が一定
デメリット ・介護サービス利用が増えると高額
・介護度が重くなると退去が必要
介護サービスを利用しなくても費用が発生する

(参照:厚生労働省「介護を受けながら暮らす高齢者向け住まいについて」)

介護付き有料老人ホームとの違い

介護付き有料老人ホームとの主な違いは以下の通りです。

  • 入居条件
  • 介護サービスが料金に含まれるかどうか

介護付き有料老人ホームは、要介護認定を受けた方向けの施設です。月額料金が介護度別に決まっていて、その中には介護サービスの費用も含まれます。介護サービス施設から提供されて、いくら利用しても料金は変わりません

一方住宅型有料老人ホームは、自立~要介護状態の方まで幅広く受け入れる施設です。原則介護サービスは施設内では提供されず、別途支払って外部サービスを利用します。一般的に月額料金は介護付き有料老人ホームに比べて安めです。

料金だけ考えれば、介護サービスを多く利用する人の場合は介護付き有料老人ホームが、少ない人は住宅型有料老人ホームが向いているといえます。

介護付き有料老人ホームの詳細は以下のサイトをご覧ください。
介護付き有料老人ホームの魅力と費用を知るとベストな施設が選択できる

サービス型高齢者住宅との違い

サービス型高齢者住宅との主な違いを説明します。

  • サービスの内容
  • 契約方式

サービスの内容

サービス型高齢者住宅は、バリアフリー構造の高齢者向け賃貸住宅です。生活相談や安否確認サービスがありますが、食事サービスなどは義務付けられていません。そのため外出や食事時間などが自由で、自分のペースで暮らせるメリットがあります。

一方住宅型有料老人ホームでは、食事などの生活支援サービスが受けられる代わりに、食事時間や入浴時間などが決められています。自分のペースで生活したい人にはストレスに感じるかもしれません。

サービス型高齢者住宅(特定入居者生活介護以外)、住宅型有料老人ホームともに、介護サービスは外部と契約する必要があります。

契約方式

契約方式は、住宅型有料老人ホームの「利用権方式」とサービス型高齢者住宅の「建物賃貸借方式」に分かれます。用語はややこしいので、表を参考に特徴だけ押さえましょう。

契約方式と費用について

住宅型有料老人ホーム
(利用権方式)
住居と、有スペース(食堂など)や生活支援サービスを利用する権利がセットになった契約
・契約者が亡くなると契約は消滅
サービス型高齢者住宅(建物賃貸借方式) ・あくまでも居の賃貸契約(普通の賃貸住宅と同様)
契約者が亡くなっても家族が住み続けられる

契約方式の一般的な分類について示しましたが、施設によって異なります。契約方式や入居一時金の有無などは施設ごとに確認しましょう。

サービス型高齢者住宅の詳細については以下のサイトをご覧ください。
サ高住とは自由度が高い高齢者向け住宅!そのサービス内容と選び方

住宅型有料老人ホームと他の施設の違いを知って適した施設を選択しよう

ここまで住宅型有料老人ホームについて説明してきました。住宅型有料老人ホームは自立から介護が必要な方まで、幅広く対応している施設です。介護が必要になれば、希望するサービスを契約できます。

住宅型有料老人ホームの入居条件や対応するサービスは施設により大きく異なります。ご本人の状態と希望するサービスが受けられるかどうかについて、気になる施設ごとに確認するのが大切です。納得できる施設選びにお役立てください。

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