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老人ホームの種類を知れば家族・本人に「ベストな施設」が選定できる

老人ホームは種類が多いことから、実際に選ぶ段階になって混乱するご家庭が多くあります。生活環境やそれぞれの要介護度が異なるため、簡単に選択できないからです。

大まかに種類を知っておくと、入居施設を絞りやすくなります。本記事では、老人ホームの種類と特徴、選び方をご紹介します。「パターン別老人ホームの種類」を参考に、ベストな施設選定をしてください。

老人ホームは大きく2つの種類に分類される

老人ホームは大きく2つの種類に分類されます。以下、それぞれの特徴や具体的な施設について確認しましょう。

1:国や地方自治体が運営する「公的施設」

「公的施設」とは、国や地方自治体が運営する老人ホームです。「介護保険施設」とも呼ばれるため、頭の隅に入れておきましょう。

公的施設の特徴

公的施設の特徴は、民間施設よりも安い費用で利用できる点です。介護の終わりは予想が難しいため安い民間施設は競争率が高く、「入居待ち」の時間が長くなる傾向にあります。

しかし民間施設と比較して、公的施設はレクリエーションやイベントが少ないことがデメリット。介護度が高い方、低所得者を支援するという目的があるため、老人ホームに「楽しみ」を求める方には不向きです。

公的施設にはどんな施設がある?

公的施設には以下の施設があります。

施設 入居対象者
ケアハウス 一般型:60歳以上

介護型:65歳以上で要介護1~2

特別養護老人ホーム 65歳以上で要介護3以上
介護老人保健施設 65歳以上で要介護1以上
介護療養型施設 医学的管理が必要な65歳以上で要介護1以上
軽費老人ホーム 60歳以上で自立している方

一般的に入居対象者が決められていますが、60歳以下でも特定疾病が認められた場合や介護認定がされている場合には入居が認められることがあります。

2:民間企業が運営する「民間施設」

民間施設とは、民間企業が運営する老人ホームです。どのような特徴や施設があるかを具体的にご紹介します。

民間施設の特徴

民間施設の特徴は、公的施設よりもサービスが充実している点です。レクリエーションやイベントが積極的に行われ、入居者様のニーズを満たすことに重点が置かれています

施設ごとの特徴が異なるため、利用者様の趣味や好みに沿った施設を選べる点もメリットです。一方で公的施設よりも費用が割高になってしまうのがデメリット。どのような生活を送りたいのかをイメージしながら予算と照らし合わせて検討する必要があります。

民間施設にはどんな施設がある?

民間施設には以下の施設があります。

施設 入居対象者
サービス付き高齢者向け住宅 60歳以上の高齢者
介護付き有料老人ホーム 介護が必要な65歳以上
住宅型有料老人ホーム 60歳以上の高齢者
グループホーム 認知症の診断を受けた要介護1以上の方
健康型有料老人ホーム 自立した60歳以上の方
高齢者向け分譲マンション 自立した50歳~60歳の方

住宅型有料老人ホームは、自立~介護が必要な方まで幅広く受け入れています。シニア向け分譲マンションは、資金の調達ができれば購入が可能ですが、施設によっては年齢条件を設けていることも。細かい条件は施設によって異なるため、興味がある施設には積極的に問い合わせてみましょう。

老人ホームの選び方

老人ホームを選ぶ場合には、以下の手順に沿って進めるとスムーズです。ポイントを把握して効率的に施設選定を進めましょう。

1:入居の目的を明らかにして適した老人ホームを探す

老人ホームを選ぶ際には、入居の目的を明らかにして老人ホームを探しましょう。入居を予定する方の希望はもちろん、家族の要望も反映された施設を検討する必要があります。

以下のように、将来を視野に入れて目的を定めると良いでしょう。

  • 家族に迷惑をかけたくないので、看取りまで一貫して対応してくれる施設を希望する
  • 毎日生活する場所なので、イベントが多い施設で楽しみたい。

また少し先のことを視野に入れて施設選定をすると、状況変化に柔軟に対応することができます。介護度に応じて、住み替えを行ってもよいでしょう。

2:老人ホームの資料請求・見学をする

入居を検討する施設が明らかになったら、資料請求・見学を行いましょう。このとき複数施設の資料請求・見学を行うことをおすすめします。比較する対象があると、希望する施設の特徴が改めて明らかになることがあるからです。

また資料請求・見学を行うことで、入居後に「合わない」というミスマッチを防ぐことができます。入居前の時点で違和感を感じたら、他施設と比較してみましょう。

3:相談しながら施設決定をする

老人ホームは、基本的に入居を検討する本人と家族で決定する必要があります。しかし判断に迷った時や分からないことは、経験・情報が豊富なプロに相談することをおすすめします

相談窓口は以下の通りです。

  1. ケアマネージャー:介護サービスを利用する方は、地域の情報のほか利用を検討する方の健康状態を把握している担当のケアマネージャーが心強い見方になります。
  2. 地域包括支援センター:要介護認定を受けていない方は、地域包括支援センターに問い合わせてみましょう。介護認定についても相談できます。
  3. 民間の紹介センター:民間の紹介センターは全国的に情報を把握しているだけではなく、見学・契約のサポートを行ってくれることも。老人ホームから手数料が入るため、無料で利用できます。

プロに相談するときには、身体状況のほか、予算を明確にしておくとスムーズです。

どんな老人ホームを選べばいい?パターン別老人ホームの種類

どのような老人ホームが良いかは、入居を検討する方の身体状況や環境によってそれぞれです。参考までに、パターン別おすすめの老人ホームをご紹介します。

Q1:介護度が高い方におすすめの老人ホームは?

介護度が高い方におすすめの老人ホームは、特別養護老人ホームです。要介護3~5の65歳以上であれば、介護保険を利用して月々5~15万円程度で利用することができます。

介護度が高い方が優先されますが、上記の理由により人気が高く入居待ちになるケースも。部屋は相部屋になることが多いため、プライベートを確保したい方には不向きです。レクリエーションやイベントも少ないため、賑やかな暮らしを求める方は他施設を検討しましょう。

Q2:生活保護を受けていても入居できる老人ホームは?

生活保護を受けていても、特別養護老人ホーム、有料老人ホームに入居が可能です。特別養護老人ホームは公的施設のため、所得に応じて負担軽減が受けられます。有料老人ホームは民間施設ですが、部屋の広さや居室タイプによって費用を抑える事が可能です。

すべての老人ホームが生活保護の方を対象にしているわけではありませんが、市役所や社会福祉協議会に相談してみると良いでしょう。空きがない場合や、入居に伴う条件などの相談にのってくれます。

Q3:退院直後でも入居できる老人ホームは?

退院後の生活が心配な方には、介護老人保健施設がおすすめです。要介護1~5まで幅広く入居を受け入れており、日常生活に戻るためのリハビリが中心に行われます。

しかしあくまでも「在宅」に向けての一時的な施設。入居期間は原則3~6ヶ月なので、長期入居を希望する方には向いていません。

Q4:老人ホームに入居してもアクティブにシニアライフを送りたい!

老人ホームに入居してもアクティブにシニアライフを送りたい方には、健康型有料老人ホームがおすすめです。自立している方を対象としているため、認知症を発症したり介護が必要になったりした場合には退去しなければなりません。

楽しみに重きを置いた生活ができますが、それなりの費用がかかります。趣味に没頭する余裕資金がある、介護が必要になった場合の生活の予定が立っているという方は、情報収集を行って希望に沿った施設を選びましょう。

Q5:認知症で入居できる老人ホームは?

認知症があり入居できる老人ホームを探しているなら、グループホームがおすすめです。65歳以上の認知症の方を対象としており、認知症ケアを行うスタッフが24時間体制でケアを行います。

可能な範囲で自立を促し共同生活を送るため、認知症の進行を遅らせたり症状が改善したりという効果も期待できます。しかし施設によっては介護度が高くなると退去を迫られることがあるため、事前に確認しておきましょう。

利用する方の状況・希望から老人ホームの種類を検討しよう

老人ホームは、国や地方自治体が運営する「公的施設」と民間企業が運営する「民間施設」に分けられます。費用やレクリエーションの頻度が異なり、施設によってもそれぞれ特徴があるため、入居を予定する方の状況や希望、性格を反映して選定しなければなりません。

施設を選定する際には、「少し先の未来」を予測することを忘れずに。「今以上に年齢を重ねたとき」「介護度が高くなったとき」など想定しておくと、安心して生活を営むことができますよ。

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