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ショートステイの費用内訳と費用軽減制度を知って賢く利用しよう

ショートステイは、短期で利用できる介護施設です。しかし実際利用するとなると、「必要な費用を知りたい」「もっと安く利用できないの?」という疑問を持つことがあるでしょう。

費用について理解すると、納得した上でショートステイを利用できるため、より気持ちよくサービスを受けることができますよ。本記事では、ショートステイの種類とその費用、費用軽減制度についてご紹介します。

ショートステイの種類と費用

ショートステイは「短期入所生活介護」と「短期入所療養介護」の2つに分けられます。それぞれのサービス内容と費用について確認していきましょう。

介護者・要介護者のリフレッシュに便利な「短期入所生活介護」

短期入所生活介護は、介護者・要介護者両方のリフレッシュを図ることが可能です。特別養護老人ホームや有料老人ホームで食事や入浴のほか、機能訓練や日常生活の支援を受けられます。

住まいを離れて施設スタッフが対応するため、要介護者にいつもと異なる環境を提供できます。「急用ができた」「気分転換したい」など、介護者がプライベートな時間を確保するための利用もOK。対象は要介護1以上の方です。

厚生労働省の平成31年データによると、1ヶ月あたりの平均利用料金は106,112円。医療ケアが必要ない分、短期入所療養介護より割安になっています。上手に利用して、お互いに大きな負担がかからない介護生活を送りましょう。

医療ケアが受けられる「短期入所療養介護」

短期入所療養介護は、短期入所生活介護で提供されるサービスのほかに医療ケアやリハビリが受けられるという特徴があります。これらの点から「医療型ショートステイ」と呼ぶこともあります。

提供される場所は、介護老人保健施設のほか、診療所や介護医療院などです。医師や看護師、理学療法士などの専門家が適宜介入し医療サービスを提供します。利用者様が快適に過ごすために、機能訓練を行う場所のほか浴室などの設置が必要と明記されています。

対象者は短期入所生活介護同様、要介護1以上、かつ医療処置や定期的な検査・診断が必要な方です。短期入所生活介護で提供される食事や入浴、レクリエーションなども提供されます。厚生労働省の平成31年のデータによると、1カ月当たりの平均利用料金は、老健で95,600円、病院で116,100円です。

ショートステイの費用内訳

ショートステイの費用内訳は、介護保険が適用されるもの、介護保険が適用されないものに分けられます。それぞれ具体的にどのようなものが含まれているのかを確認していきましょう。

介護保険の適用になる「利用料金」

ショートステイで介護保険の適用になるのは、「利用料金」部分です。利用料金とは介護サービス費を指し、食事や入浴などのサービスを受けるための費用で、介護サービスを提供してもらう場合には必ず必要になります。自己負担は1~3割とされていますが、所得や要介護度、施設や居室の種類、地域によっても異なります。

具体的に1泊2日の利用だと、料金は1,000円~3,000円とされていますが、ケアマネージャーや市区町村に確認しましょう。

また少数ではありますが、介護保険適用外のショートステイを提供する有料老人ホームもあります。サービスの内容と料金を照らし合わせ、疑問点は利用前に施設に問い合わせてみましょう。

介護保険の適用にならない「食費・日用品等」

ショートステイの費用には、介護保険の適用にならない「食費・日用品等」があります。全額自己負担になり、施設によって費用のばらつきがあります。おおよその目安は以下の通りです。

食費 500~800円/回
おやつ代 150~300円/回
備品利用代(歯ブラシ・オムツ等) 数百円/回
レクリエーション代 数百円

レクリエーション代は、材料費が加算されます。滞在中に理美容サービスを利用した場合も、自己負担です。施設によって加算される費用や内容は異なりますが、1泊2日の場合には、2日分として加算されることが一般的です。施設によっては、歯ブラシやオムツなどは持ち込みが可能なこともあるため、事前に確認しましょう。

施設によっては「サービス加算」が請求されることも

上記でご紹介した費用内容のほかに、施設によって「サービス加算」が請求されることもあります。「サービス加算」とは、専門的なサービスを提供したり、施設の体制を整えたりしている場合に、一般的な利用料金にプラスして費用がかかる制度です。一例として以下のものがあります。

送迎加算 自宅と施設間の送迎を利用した際に付く加算。
医療連携強化加算 看護師による健康管理や巡回など、医療体制を整えている場合に付く加算。
機能訓練加算 機能訓練指導員が、個別に機能訓練計画を作成・実施している場合に付く加算。

1つの加算費用は少額ですが、複数付帯すると高額になります。利用者様にどのようなサービスが必要かを事前に把握し、施設選定の際に比較・活用しましょう。

ショートステイの費用を抑えるためには

ショートステイは短期利用を前提としたサービスですが、他の介護保険サービスを併用していたり複数回利用したりすると負担になることがあります。ここでは、費用を抑えるための軽減制度をご紹介します。

所得によって「特定入所者介護サービス費」が受けられる

ショートステイの費用を抑えるために、所得によって「特定入所者介護サービス費」が受けられることがあります。食費や滞在費の負担が軽減されるため、対象になる方は問い合わせてみましょう。

負担段階

対象者

第1段階 生活保護受給者/世帯全員が市町村民税非課税である老齢福祉年金受給者。 かつ預貯金が単身で1,000万円以下。
第2段階 世帯全員が市町村民税非課税かつ利用者様の公的年金収入額+合計所得金額が80万円以下。
第3段階 世帯全員が市町村民税非課税かつ利用者様の公的年金収入額+合計所得金額が120万円超。
第4段階 世帯に課税者がいる。/利用者様が市町村民税課税。

1日あたり1,000〜2,500円程度の軽減が可能です。このほかに、年間の自己負担額の合計が上限額を超えた場合に利用できる、「高額介護サービス費」制度もあります。高額介護サービス費も、支給を受ける際には特定入所者介護サービス費同様、設定区分が設けられているため、市区町村に確認・申請しましょう。

社会福祉法人等によって負担軽減される「低所得者に対する利用者負担軽減制度」

ショートステイの費用を軽減するために、社会福祉法人等による「低所得者に対する利用者負担軽減制度」が利用できる場合があります。対象者が利用者負担軽減制度を実施している事業所からサービスを受けた場合には、自己負担額は1/4軽減され(老齢福祉年金受給者は1/2、3/4)になります。

対象者は市町村民税世帯非課税で、生計が困難とし市町村が認めた方や生活保護受給者です。以下の要件を満たす必要があります。

  • 年間収入が単身世帯で150万円、世帯員が1人増すごとに50万円を加算した額以下である。
  • 預貯金が単身世帯で350万円、世帯員が1人増すごとに100万円加算した額以下である。
  • 日常生活に供する資産以外に活用可能な資産がない。
  • 負担能力がある親族に扶養されていない。
  • 介護保険料を滞納していない。

サービス利用費のほか、食費や滞在費、宿泊費が対象になるため、一度確認してみると良いでしょう。

ショートステイとデイサービスの違いとは?

ショートステイとデイサービスの大きな違いは、利用時間です。デイサービスは日中のみの利用ですが、ショートステイは短期で宿泊が可能です。

どちらのサービスも、食事や入浴、レクリエーションなどは同じように提供されます。しかしショートステイの方が、入居中の利用者様に合わせたペースでサービスが提供されるため、時間に余裕を持ったサービスを受けることができるでしょう。

どちらを利用するかは、介護者の事情を考慮することがポイントです。「短時間でリフレッシュしたい」「介護者本人が受診しなければならない」などの場合にはデイサービスを。「旅行に行きたい」「数日家を空ける用事ができた」などの場合にはショートステイを利用することをおすすめします。

便利なショートステイを利用してリフレッシュを図ろう

ショートステイには、短期入所生活介護と短期入所療養介護の2種類があり、医療サービスを提供する短期入所療養介護の方がやや割高です。対象となる費用軽減制度を利用して、介護者の負担軽減のため日常的な利用をおすすめします。

利用料金は介護保険の適用になりますが、食費や日用品は実費負担です。その他施設によるサービス加算が生じることがあるため、事前に確認しましょう。

ショートステイは人気が高いため、利用の際には早めに予約することをおすすめします

 

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