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サ高住とは自由度が高い高齢者向け住宅!そのサービス内容と選び方

サ高住とは、高齢者が入居する賃貸住宅です。しっかりプライベートが確保でき、自由度が高い施設を望む方には価値ある選択肢の一つになります。サ高住の詳細を知ることができれば、入居者様のニーズに沿ったより快適な施設選びの参考になるでしょう。

本記事では、サ高住のサービス内容や入居条件、入居までの流れをご紹介します。参考にして、利用者様とご家族双方が納得できる施設を選んでください。

サ高住で提供してくれるサービスは?

サ高住で提供してくれるサービスは、おもに以下の3つです。別途費用がかかることがあるため、必要なサービスがある場合には直接施設に問い合わせてみましょう。

1:安否確認

サ高住では、安否確認を行います。施設スタッフが定期的に巡回・訪問し、利用者様の様子を確認してくれるため、万が一緊急の対応が必要な場合でも安心です。

 施設によっては、いつでも緊急通報ができたり人感センサーを設けたりして工夫をしています。なおサ高住は、日中のみスタッフの常駐が義務となっていますが、夜間は義務付けられていません。不安がある場合には、夜間の対応を施設に確認しましょう。

2:生活相談

サ高住では、日常の「小さな困りごと」に対する生活相談を行っています。自分ひとりでは難しいことを、施設スタッフが家族の代わりに行うイメージです。

たとえば、電球の取り換えや医療機関への付き添い、買い物のお手伝いなど生活全般のサポートをしてくれます。安否確認に加えてこれらの生活相談は、サービスの提供が義務付けられているため、別途の費用はかかりません

3:その他の追加サービス

サ高住では施設によって上記サービスのほか、追加サービスを設けていることがあります。サ高住は自由度が高い住宅である一方で、別途サービス・費用が発生するケースがあるため、必要なサービスを事前に確認しておくことをおすすめします。

調理室を設けて温かい食事を提供してくれる施設や、居室の清掃や洗濯代行を行う施設もあり、その特徴はさまざまです。また一般型のサ高住においては介護サービスの提供を行っていないため、状況に応じて訪問介護や施設併設の事業所など外部業者との契約が必要です。

サ高住の入居条件

サ高住に入居する際には、一般的には通常の賃貸住宅同様に「賃貸借契約」を結びます。通常の賃貸住宅と異なる点は、高齢を理由に入居を断られたり契約更新の必要性が生じたりすることがありません。詳細を確認していきましょう。

入居者様の条件

サ高住は平成23年度に制定された「高齢者住まい法」に則り、60歳以上の高齢者、または要介護認定を受けた60歳未満の方を対象にした施設です。下の項で詳しくご説明しますが、サ高住には「一般型」と「介護型」があるため、施設によって入居条件が異なります。

「一般型」は比較的身体状況が良い高齢者を受け入れているため、自立した利用者様が多く、認知症や感染症などの方は受け入れていないことがほとんどです。「介護型」は施設スタッフから介護サービスを受けられるため、施設の基準を満たせば入居ができます。なおいずれの施設でも、連帯保証人・身元引受人が必要なことがほとんどです。

同居人様の条件

サ高住は利用者様本人以外に、居住者との同居が可能な施設があります。施設ごとに基準を設けていますが、一般的には以下の通りです。

  • 利用者様の配偶者または事実上の夫婦と同様の関係にある方。
  • 60歳以上の親族、要支援・要介護認定を受けている親族。
  • 特別な理由があり、知事が同居の必要性があると判断する方。

この他にも、同居者様には「自立している」「認知症ではない」などの条件を設けていることがあります。

サ高住には2種類ある

「サ高住の入居条件」で触れたとおり、サ高住には2種類あります。利用者様にどの程度の介護サービスが必要かによって判断する必要があるため、慎重に検討しましょう。

一般型 介護型
契約形態 賃貸借契約 利用権契約・賃貸借契約
サービス内容 安否確認・生活相談 安否確認・生活相談・介護サービス・食事の提供・健康管理など

介護サービスは外部業者に依頼する「一般型」

一般型のサ高住の場合、介護サービスは外部業者に依頼します。安否確認・生活相談サービスは受けられますが、介護サービス費用は利用した分だけかかります。リハビリにおいても同様です。施設によっては介護事業所や病院を併設していたり、提携する業者がいたりすることがあるため、事前に相談してみましょう。

一般型では賃貸借契約という契約形態をとっているため、契約者本人がなくなっても同居者が住み続けることが可能です。介護型では利用権契約と言って契約者が亡くなると施設利用の権利が失われてしまうことがあるため注意しましょう。

介護費用が定額の「介護型」

「介護型」の場合、介護サービスや食事の提供などを含んだ料金が記載されています。介護型は「特定施設入居者生活介護」の指定を受けているため、施設スタッフから直接介護サービスを受けられるからです。

「特定施設入居者生活介護」の指定を受けていると、日常生活の支援のほかレクリエーションやリハビリなどを通した機能訓練も頻繁に行われます。基準に則った設備・人員を満たしているため、介護度が高い利用者様でも安心して利用できます。

サ高住の登録基準

サ高住についておおまかな内容が分かったところで、サ高住の登録基準について見ていきましょう。詳細を知ることができれば、より安心して利用することができますよ。

施設・設備について

サ高住の施設・設備は以下の基準を満たしたうえで、各都道府県に登録する必要があります。

居室の床面積 原則25㎡以上(約13.7畳)。ただしリビングやキッチン、食堂が共同利用の場合には18㎡以上。
台所・水洗便所・収納設備・洗面設備・浴室 各専用部分に備える必要性がある。
床・廊下など 段差をなくし、手すりや廊下幅を確保したバリアフリー構造

このほかにも、カラオケルームや温泉、レストランなどを設けた施設もあり、入居者様同士の交流を深めることができます。介護事業所や病院が併設されているサ高住なら、必要性が生じた場合に迅速な対応が可能です。

契約・サービス・人員について

サ高住の契約・サービス・人員については以下のようになっています。さらに、都道府県知事が策定する高齢者居住安定確保計画において別途基準を設けることができます

契約 居住部分が明示され、居住の安定が図られた契約であること。敷金・家賃・サービス費以外の金銭を徴収しない。前払い家賃を受領する場合には、返還ルール・保全措置を講じること。
サービス 安否確認・生活相談サービスを提供すること。
人員 日中はサービスを提供するスタッフを常駐させること。夜間帯は、緊急通報システムにより対応。

このほかにも、登録事項の情報開示や契約前の説明などが登録事業者には課せられ、立ち入り検査や改善命令など行政による指導監督が行われます。

サ高住の費用

サ高住の費用形態は、一般的な賃貸住宅を想像すると理解しやすいです。初期費用として敷金(賃料の2〜3ヶ月分)、光熱費、サービス料金などがかかります。一般型よりも介護型の方がやや割高です。

入居一時金は原則不要

サ高住の場合、入居一時金は原則不要です。有料老人ホームでは初期費用が数百万と言われているのに対し、サ高住は賃貸借契約を取っているため初期費用を大幅に抑えることができます

よってサ高住を利用する方の中には、将来的に転居を想定した方もいます。しかし少数とはいえ、施設によっては前払い金制度を取り入れていることもあるため、事前に確認しましょう。とくに介護型は前払い金制度の施設があるため、あくまでも「原則」不要と理解しておきましょう。

月額料金はおよそ15万円

厚生労働省のデータによると、サ高住の月額平均利用料金総額は14万円です。内訳は家賃・共益費・基本サービス費・食費・光水熱費で、うち家賃は6万円が平均となっています。バリアフリー構造であることを考慮すれば、一般的な賃貸住宅と比較して手頃な価格といえるでしょう。

家賃は居室の広さや設備、立地によって異なり、一般型施設で介護サービスを外部委託している場合には別途費用が必要です。食事の提供は義務ではないため、自炊をする場合にも費用は異なります。

サ高住が向いている方

サ高住は費用を抑えつつ、適度にプライベートが確保できるため、以下のような方が向いているといえるでしょう。

自由度が高い生活を望む方

サ高住は、自由度が高い生活を望む方に向いています。リハビリや入浴など、スケジュールが決められていないため、自分のペースで気ままに生活することが可能です。

食事を提供してもらう場合には、時間を決められていることがありますが、それ以外の時間は自宅と変わらず過ごすことができます。いっぽうで、他の入居者様との交流やイベントを思い切り楽しみたいという方には、サ高住以外の高齢者施設を検討することをおすすめします。

孤立した生活に不安を抱いている方

サ高住は、孤立した生活に不安を抱いている方におすすめです。サ高住に入居することにより、安否確認と生活相談が受けられるため、生活における不安や困りごとは解決できるからです。

またサ高住は高齢者向け賃貸住宅であることから、隣近所も同世代の方が生活しています。さまざまな世代が生活する今までの環境よりも、コミュニケーションが取りやすい環境といえるでしょう。

入居までのステップ

施設によって多少異なることがありますが、サ高住に入居するまでの流れは以下の通りです。人気があるサ高住はすぐに埋まってしまうことが考えられるため、入居者様の希望を聞きながら、計画的に行動しましょう。

ステップ1:「一般型」「介護型」を選択する

サ高住には「一般型」と「介護型」があります。利用者様の身体状況と照らし合わせて、どちらがより適しているかを判断しましょう。可能な支払い額を確認することも忘れずに。介護サービスが必要な場合には、外部に委託する「一般型」より「介護型」の方が割安なことがあります

ステップ2:希望を満たすサ高住を探す

ホームページやパンフレットから、利用者様の希望を満たした施設を探しましょう。「プライベートを重視したい」「キッチンが整っているところがよい」「病院が近いところ」など、今の生活で改善したいところを具体的に挙げると重視すべきポイントが明らかになります。施設の基準を守れば家族が宿泊することもできるため、自宅からの距離も確認すべきポイントです。

ステップ3:施設見学・体験入居に申し込む

入居を希望する施設が決定したら、施設見学・体験入居に申し込みましょう。事前に質問事項を整理して、不安なことや疑問点を解決しましょう。施設見学は、複数個所参加することをおすすめします。比較・検討することで、必要なサービスや施設の環境など新たに気付くことがありますよ。

ステップ4:申し込み・面談・契約

入居したい施設が決定したら、申し込みをします。申し込み後、入居者様の身体状況や健康状態などを確認するために、面談の機会が設けられます。介護サービスの必要性がある場合には、委託する事業所やサービスの内容・費用についても確認することを忘れずに。施設側が入居可能と判断すれば、契約・入居となります。

サ高住ならストレスがなくマイペースな生活が可能

サ高住は自由度が高い住宅であることから、ストレスなくマイペースな生活をしたい方におすすめです。一般型は要介護度が低い方が多く、介護サービスは外部に委託する必要がありますが、介護型は施設スタッフから直接介護サービスをうけることができます。

平成23年には100あまりだったサ高住は、平成26年には4,600と増加傾向にありますが、条件が整った施設は人気です。施設の体制やサービス内容をよく確認したうえで、早めの手続きを済ませましょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

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